③
「えぇっ!?」
「ヒナ、シッ!」
依頼内容を聴き、ヒナは思わず、大声を上げそうになった。
しかし、カザハナが口許に人差し指をあて、静かにするようにと、ジェスチャーをする。
それを見たヒナは、口を手をあて、コクッと頷く。
「まあ、驚くのも仕方ないさ」
フウマは苦笑いしながら、答える。
フウマからの依頼内容。
それは
《フウマを暗殺しようとする者を探せ》
と言うモノだった。
「こう言う事は、昔から何回かあったんだ。」
長として、民達の暮らしを良くしようと、あれこれ考え、案などを出して来た。
結果、それは見事に成功し、
国民達の暮らしは豊かになり、
フウマは、国民から信頼される長として、今日まで頑張っている。
しかし、その反面
国民の事より、自分の利益優先な者も中にはいるらしく、その者からフウマは幾度か、命を狙われる事があったのだ。
「今までは何とかなっていたんだ。
しかし、今回は勝手が違う」
ハヤテの話では、
今までは周囲の警戒やフウマの自衛で、事なきを得ていた。
しかし、今回の相手は、
そんな警戒や自衛をくぐり抜け、危ない所まで来ているらしい。
「本当なら、宮補佐の俺達や他の信頼出来る人達で対処する所なんだが、生憎他に時間を割いたりしてな。後は……」
そう言うと、
ハヤテは言葉を詰まらせる。
その様子を見て、ヒナは不思議そうにしていたが、サクヤは察した。
「もしかしたら、
”身内”にいるかもしれねぇって事か」
「えっ、それって!」
驚くヒナとは対照的に、フウマ達は表情を曇らせる。
「ああ、そうなんだ。向こうは、仲間内でしか知らない事を知ってて、警備を突破したんだ」
「身内を疑うのは良くないけど、
こうなって来るとね……」
今まで一緒にいた仲間を疑うのは、
神経をすり減らす。
仲間だから信じたい一方で、
仲間を信じきれない
この板挟み状態に、
三人は心身ともに疲弊していた。
そこで幾度か話し合いの末、
サクヤ達何でも屋に依頼すると言う話になったのだ。