39話〜依頼主とは
ここはティールの街の南側の草原。
ガルド達はジェシカとレフィカルの話を聞いていた。
「ガルド。これは、心して聞いて欲しいんだけど」
「ジェシカ。ああ……」
ガルドは頷いた。
「私達は、この依頼を皇帝マグドから頼まれた。ガルドを見張れとね」
「なるほどな。やっぱり、そうか」
「おい!まるで、分かってたみたいな口振りだな。どういう事だ?」
「ああ、うすうすな。それで、他にマグドは何か言ってなかったのか?」
「ああ、ガルドがブラットに会いに行くようなら、妨害をして欲しいって言っていたけど」
「ジェシカ、それだけか?あいつが言っていたのは」
「そうだけど。それより、ブラットって何者なんだ?」
「やはり。そこまでは、聞かされていないのですね」
「クッ、あくまでもマグドは、俺からブラットを引き離してぇみてぇだな」
「ガルド。いったい、そいつとはどんな関係なんだ?」
「ブラットは、俺とカトレアの子供だ!」
ジェシカとレフィカルは驚き戸惑った。
「まさか、ガルドとカトレアの子供とはね。でも何故、マグドはブラットに、そんな事をする必要があるんだ?」
ガルドはジェシカとレフィカルに、ブラットに何があったのか、そして何が今起きているのかを話した。
「なるほどね。じゃ、歪みの洞窟が何者かによって封印をとかれた。そして、ブラットが狙われているという事か」
するとビスカは何者かの気配を感じ後ろを振り返った。
「そこにいるのは誰?」
そしてそこに立っていたのはコトネだった。
コトネは不思議そうに、
「あの〜、ビスカおばさんもそうだけど、ブラットのお父さんとカトレアさんが、何でここにいるんですか?」
「ブラットと一緒に旅をしている。確か、コトネだったな」
「はい、そうです」
「コトネ、あんたね!私を、おばさんって呼ぶなって前から言ってるでしょ」
「ククク、おばさんねぇ。ビスカ、お前はなぁ、見た目は若いが中身はコトネが言うみてぇに……」
「ガルドったら。もう、そんな冗談を」
「いや、前にも言ったが、冗談じゃねぇ!」
ビスカは納得せずに、
「またまた冗談はやめてね。マイダーリン♡!」
「ビスカ、前にも言ったよな!その呼び方やめろって、今度言ったら置いていくからな‼︎」
「えーやだ、置いてかないで!ん〜、何とか我慢するからぁ」
いつになく素直に言った。
そして、その後コトネは自分が何故ここにいるのかと、街で何があったのかを話した…。